拝島ネギとは、昭島市で生産されている伝統野菜です。江戸東京野菜のひとつであり、「幻のネギ」とも言われる拝島ネギをご存じでしょうか。
拝島ネギとは
拝島ネギの始まりは、昭和初期に茨城県の水戸から種を持ち込み、拝島で栽培を始めました。拝島の土地と気候との相性も良く、年月を重ねて拝島ネギと呼ばれるようになりました。
拝島ネギは葉が柔らかいため風や秋の長雨による病気に弱く、育てやすい新品種が出回るにつれて生産農家は徐々に減少。
平成10年ごろまでは市場出荷していましたが、しだいに栽培されなくなり、平成18年ごろには自家用に数件が栽培する「幻のネギ」となって消滅の危機を迎えました。
昭島市ではこの拝島ネギをもう一度市の特産品として復活させようと、平成21年に東京都の農林総合センターに種子の系統選抜を依頼。平成24年に厳選された種で復活栽培が始まりました。
平成25年時点で10名程度が栽培しています。
特徴
拝島ネギは一般的なネギと比べて青い葉の部分が柔らかく、群馬の下仁田ネギに似て白い根の部分が太めです。
生で食べると辛みが強いですが、焼いたり煮たり熱を加えると甘みが増すので、鍋料理に最適です。
辛みが強いのは、辛さの成分であるアリシンが豊富だからです。アリシンはビタミンB1の吸収を促進する働きがあり、疲労回復や胃腸を整える作用があります。
また、アリシンには鎮静作用があり、切ったネギを枕元に置くことで寝つきを良くするという民間療法もあります。
江戸東京野菜
江戸東京野菜とは、江戸時代から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(昭和40年頃)までの、在来種または在来の栽培法等に由来する野菜です。
拝島ネギの他に、次の野菜が江戸東京野菜として登録されています。
- 練馬ダイコン
- 伝統大蔵ダイコン
- 亀戸ダイコン
- 高倉ダイコン
- 品川カブ
- 下山千歳白菜
- 城南小松菜
- のらぼう菜
- 奥多摩ワサビ
- 砂村三寸ニンジン
- アシタバ
- 内藤トウガラシ
- 寺島ナス
- おいねのつる芋
- 治助イモ
- 馬込半白キュウリ
- 白岩ウリ
- 小金井マクワ
- 内藤カボチャ
- 滝野川ゴボウ
- 早稲田ミョウガ
- 谷中ショウガ
- 東京ウド
- タケノコ(孟宗竹)
- 三河島エダマメ
- 川口エンドウ
- 八丈オクラ
- 深大寺のソバ
販売店
拝島ネギはJA東京みどり「みどりっ子昭島店(昭島地区農産物直売所)」で販売されています。
加工食品
拝島ネギから作られた加工食品に「拝島ねぎみそ」があります。ネギの風味と味噌の味がご飯のお供としてよく合います。
「拝島ねぎみそ」はJR昭島駅北口の昭島観光案内所で販売されています。
飲食店
拝島ネギを使った料理を提供しているお店もあります。
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