拝島大師は昭島市拝島町にある天台宗のお寺です。一般的に「拝島大師」と呼ばれていますが、本覚院が正式な名前です。だるま市が1月2日と3日に立ち、大勢の参拝客が訪れます。
名称
本覚院
通称
拝島大師
宗派
天台宗
本尊
元三大師(良源)
住所
東京都昭島市拝島町1-6-15
最寄駅
JR昭島駅またはJR拝島駅、西武拝島駅
駐車場
あり
歴史
拝島大師は平安時代の天台宗の高僧である元三大師(がんざんだいし)を御本尊として祀っています。その歴史は古く、平安時代の天歴6年(西暦952年)に、比叡山の僧が拝島本覚院を創建したと伝えられています。
織田信長が比叡山を焼き討ちにしたときに、敬諶大僧都が比叡山横川から木造慈恵大師尊像を持ち出して、拝島までやって来ました。敬諶大僧都は拝島本覚院に御堂を建立して、木造慈恵大師尊像を安置しました。
江戸幕府が編纂した「新編武蔵風土記稿」には、拝島大師が次のように記されています。
本覺院 大日堂の東の方にあり、拜嶋山と號す、天台宗同末寺なり、文化の初回祿せし故開山詳ならず、客殿南向にて、今假に設る所四間に八間、木尊彌院を安ず、大日領の内一石を配當せり、元三大師堂燒失後いまだ再造に及ばず、客殿に安す、木の坐像にて長二尺三寸、毎年正月三日近里より參詣群集をなせり
御本尊
拝島大師の御本尊は元三大師(良源)です。良源は平安時代の天台宗の高僧で、比叡山延暦寺において中興の祖として知られています。
お札
慈恵大師護符のひとつである角大師(つのだいし)の御札は、良源が百鬼夜行の首魁を退散させた逸話がもとになっています。
ご利益
厄除け、交通安全、商売繁盛、学業成就、当病平癒
御朱印
拝島大師では御朱印を授与していません。
だるま市
拝島大師は正月2日と3日が初縁日で、だるま市が経ちます。初詣と合わせて、多くの参拝者で賑わいます。
拝島大師に祀る元三大師が1月3日に御入滅されたことから、正月3日が縁日となりました。大勢の参拝者が早くから訪れるため、正月2日にも拡大されました。
昭島市周辺で生産された「多摩だるま」を中心に数多くのだるま店や植木、縁起物などの露店が、境内と隣接する拝島公園一帯に並びます。
「多摩だるま」は、昭島が絹織物や糸の町として栄えていたころ、蚕の病気に効き目があるとして、農家の副業に作られていました。現在のように市が立つようになったのは、江戸時代の幕末に疫病が流行ったとき、だるまが効くという俗信により始まったと言われています。
「だるま市」の開催期間中は、JR昭島駅とJR拝島駅から臨時直通バスが運行されます。
アクセス
拝島大師へ行くには、昭島駅からは徒歩20分(1.6km)、拝島駅からだと徒歩24分(2km)かかります。
駐車場
拝島大師には駐車場がありますが、これは護摩供祈願者専用です。一般の参拝者やだるま市では使えません。
駐車場を利用できる時間は8:00~17:00です。
バス停
拝島大師の近くに立川バスのバス停「拝島大師」があります。拝島大師のバス停からは、次の3系統のバスが運行しています。
- 立川駅北口(宮沢・富士見町 経由)
- 立川駅南口(宮沢・柴崎町二丁目 経由)
- 昭島駅南口(田中町団地 経由)
だるま市が開催される正月2日と3日は、昭島駅と拝島駅から臨時直通バスが運行されます。
昭島市のコミュニティバス「Aバス」を使うのであれば、西ルートのバス停「拝島会館前」または「栗の沢」が近いです。いずれもバス停も、立川バスのバス停よりは、拝島大師から距離があります。
Aバスの時刻表は公式サイトでご確認ください。
公式 拝島会館前(車椅子乗車可能)
公式 栗の沢(車椅子乗車可能)
参考文献
拝島大師 (2024) 拝島大師公式サイト
蘆田伊人 (1981) 大日本地誌大系 (12) 新編武蔵風土記稿 第六巻
川勝賢亮 (2020) 武州拝島大師本覚院の歴史文化
学研プラス (2022) 地球の歩き方 J02 東京 多摩地域-高尾・御岳・奥多摩と全30市町村を完全網羅
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